研修の目的
観光庁は、オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策を講じながら、地方誘客及び旅行消費拡大を進める中で、DMOに求める機能や役割をより明確にすること、DMOの取組や成果を適正に評価すること、DMOの活動の質向上を図ることを目的とし、令和7年3月25日に「観光地域づくり法人の登録制度に関するガイドライン」を改正したところです。本改正においては、DMOの更新登録要件として「基礎的な研修を受講していること」を定めています。具体的には、CEO等は経営層向けの研修を年1名以上受講していること、中核・実務人材(CMO、CFO等)は3名以上が受講していることを求めています。(観光庁HPより)
- 実務人材プログラム:現場での業務遂行力・顧客対応力を強化し、戦略を現場に落とし込める人材を育成する。
- 中核人材プログラム:観光地域経営の戦略設計・マネジメント力を強化し、地域全体を牽引できる人材を育成する。
研修概要と期待される効果
ツーリズムHRアカデミーでは、以下の観光庁の要請に対応した2つのコースを開講いたします。
観光庁「観光地域づくり法人登録制度ガイドライン」の改正や観光DX推進により、DMO職員には基礎知識から高度な戦略策定能力まで幅広いスキルが求められています。他方、全国のDMOでは人材の経験値や職務範囲が異なるため、単一レベルの研修では全員のニーズを満たすことが困難です。そこで当研修では、役割・経験に応じた 「ベーシックコース」と「アドバンスドコース」 をオンラインで学習できるようにeラーニングを活用し、段階的かつ体系的な能力開発を行います。さらに、将来的には経営層や意思決定層を対象とした 「経営人材コース」 を新設し、2コースには「ポストコロナを支える観光人材育成事業」に準拠した要素を取り入れ、より高度で実践的な知識・スキルを提供する予定です。経営人材コースは、公募が開始され次第正式に設定します。


受講料金
| 項目 | ベーシックコース | アドバンスドコース |
|---|---|---|
| 対象 | 中核・実務人材 | 中核人材 |
| 受講料 | 66,000円(税込) (1DMO3人まで) | 132,000円(税込) (1人) |
| 特徴 | 基礎知識・スキルの習得に特化 | 高度な戦略・実践スキル習得 |
| 学習方法 | eラーニング | eラーニング 一部オンデマンド講義 |
| メリット | 1DMOから3名まで受講可能/基礎を体系的に学べる | 専門的内容で即戦力化/実務に直結した知識が得られる |
| デメリット | 応用的・戦略的内容は少ない | 受講料が高め、1名単位で受講 |
学習内容
各コースの学習内容は以下の通りです。
ベーシックコース
| モジュール | テーマ | 概要 |
|---|---|---|
| 1 | 改正ガイドラインの理解 | 必要要件更新ガイドラインに示された観光庁の理念、登録制度の基本的な枠組み、DMOの役割と期待成果を学ぶ。 |
| 2 | 観光地経営 | 観光地経営ガイドブックに基づき、地域資源の把握、観光地経営の6要素(組織・人材・マーケティング・財源・DX・持続可能性)の基礎を理解する。 |
| 3 | マーケティング | 観光マーケティングの基本概念(市場調査、ターゲティング、STPの基礎)や観光プロモーションの基本を学ぶ。 |
| 4 | 財源確保 | 財源確保の考え方(宿泊税、協力金、ふるさと納税等)、公的財源と民間資金の違いを理解し、DMOにおける財源の基礎を学ぶ。 |
| 5 | 観光DX | 観光DXの目的と必要性を理解し、データ活用・CRM・DMPといったキーワードを知り、DX導入の基本的な流れを学ぶ。 |
「観光地域づくり法人の中核・実務人材向け研修」ベーシックコースに関する詳細はこちら>>
アドバンスドコース
| モジュール | テーマ | 概要 | 開講時期 |
|---|---|---|---|
| 1 | 改正ガイドラインの理解 | 改正ガイドラインの背景・目的・改正内容・更新登録要件・中核人材要件・戦略性・財源・実務対応ステップを学ぶ。 | 2025年12月〜 |
| 2 | 観光地経営 | 観光地経営ガイドブックに基づき、戦略立案、KPI設定、地域資源の磨き上げ、ステークホルダー連携、実行・改善の方法を学ぶ。 | 2025年12月〜 |
| 3 | 観光マーケティング | 観光地域マーケティングガイドブックに基づき、データ活用、市場分析、ターゲティング、ブランド戦略、プロモーション、効果測定を学ぶ。 | 2026年2月〜 |
| 4 | 財源戦略とCFO実務 | 自主財源開発手法ガイドブックに基づき、公的・民間財源確保、法人格別財源戦略、収益事業設計、CFO役割、ガバナンスを学ぶ。 | 2026年2月〜 |
| 5 | 観光DXの活用 | 観光DX公式教材(A. データの収集・活用、B. 戦略策定、C. シームレスな地域サイトの活用、D. CRMの活用、E. DMPの活用)を視聴し、内容を基にDMOでの実務適用方法と導入計画作成手順を学ぶ。 | 2025年12月〜 |
| 6 | 持続可能な観光 | ポストコロナ時代の観光人材育成ガイドラインに基づき、環境・社会・経済の3側面から持続可能性を観光地経営に組み込み、指標設定と実行計画を策定する方法を学ぶ。 | 2026年2月〜 |
「観光地域づくり法人の中核・実務人材向け研修」アドバンスドコースに関する詳細はこちら>>
